“伝える”の先にある、“感じさせる”設計
最近、ある人から「エモくていいね」と褒められました。
最初はちょっと照れくさかったけれど、しばらくしてふと思ったんです。
「エモくていいね」って、具体的には何を指しているんだろう?
その言葉の中に込められた意味を、自分なりに紐解いてみようと思いました。
情報を“伝える”設計と、“感じさせる”設計
「伝える設計」っていうのは、情報の強調がメインです。
たとえば、
• キャッチコピーを目立たせる
• 要点にマーカーを引く
• レイアウトで視線を誘導する
みたいな、ユーザビリティに違いところ。
でも、ただ伝えただけでは、感情が動かないんですよね。
エモさで大切なのは、「伝えたことがどう感じられるか」。
どれだけ情報を整理して、わかりやすくしても、感情に訴えかける部分がないと、結局「ふ~ん」と受け流されてしまう。
そのために、「感じさせる」ことが必要なんだろうなと。
言葉の“間(ま)”だったり、リズムに緩急をつけることだったり。
あるいは、あえて少しだけ余白を残すような言い回しかもしれません。
“空気感を一言で決める”という取っ掛かり
ここでひとつ、おすすめしたい考え方があります。
それは、制作に入る前に「このコンテンツの空気感を、一言で決めておく」こと。
たとえば、
• 「静かな決意」
• 「素朴なやさしさ」
• 「ちょっと不器用な愛情」
そんなふうに、一言で空気を定めてから構成や言葉を選ぶと、
余計な説明がそぎ落とされて、温度がにじみ出てくることがあります。
情報設計を終えた後、「それで、どんなふうに感じてほしい?」と問い直す。
そのひと手間が、エモさや共感につながっていくのだと思います。
「伝わる」設計だけだとどうしてもテンプレート的なデザインになりがちなので、どう差別化していくかはここらへんになるのかな、と思いました。